残酷な華
「お前がここで死んだら奈々さんはどうなるんだよ!!お前は絶対に俺が死なせない!」
「・・・!」
安西君は私を抱きかかえると走る。
スピードはもちろんさっきよりもかなり遅い。
奈々は心配だ。
私は奈々のために生きているといっても過言じゃないから。
でも・・・
「やっぱり、無理!このスピードじゃ捕まっちゃう!」
いくら安西君が足が速いといってもミラは幽霊。
勝てるわけない。
「はっ・・・はっ。今更、・・降ろせとか、っ言うなよ!」
「・・・安西君。」
その額にうっすらと浮かんでいる汗。