残酷な華
「ね、初音はどう思う?」

教室に戻る途中菜々がふいに聞いてきた。

「何が?」

「安西くんのせいだと思う?」

菜々は噂に洗脳されているかに呟いた。
「そんなわけないでしょ。先生も言っていたじゃない。百年前の事件が蘇っただけだって。」

「でも、それが始まった原因が…。」

菜々まで疑ってほしくない。

事件でみんな人を信じられなくなっていた。

「ううん。そうだね。」

菜々は自分に言い聞かせるように呟いた。

菜々も笑わなくなった一人。

笑うときは不慣れでぎこちない笑顔ともいえない笑み。

その時‐‐‐‐‐
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