残酷な華



屋上に続く階段を見上げる。


さっき奈々にあんなこと言ってきたけど私だって怖いよ。




死ぬ覚悟なんてそんなすぐにできるものじゃない。



頭の中によぎった両親の顔。



慌てて首を振る。



思い出したら辛くなるだけ。


でも辛い時頭の中によぎってしまう。



「お母さん・・・」




でも、いつも頭の中のお母さんは私のことを嫌っている。







“いつまで泣いてるの!!うるさいわよっ!”







そして飛んでくる平手打ち。


たぶん家庭内暴力なんだと思う。



でも、小さい頃のお母さんは違った。


もっと優しかったんだ。



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