残酷な華
「少なくとも、今の俺の生きる希望は、お前なんだ。」
「え・・・?」
叫びすぎてかれてきた声が響く。
「お前が辛くても奈々さんを守るために前向きに生きてるから・・・俺も頑張ろうって思えるんだよ。」
私を抱きしめた腕は小刻みに震えていた。
「だから、お前が死ぬなんて許さない。」
「・・・安西君。」
私が死にたい気持ちは変わらない。
辛すぎる現実を目のあたりにするのも疲れた。
でも、私が居ることで希望を見出せる人が独りでも居るのなら・・・
もう少しだけ、生きようかなって思えるんだ。