A'lice
-不思議の国-
目を開くと、眼前には青々とした空が広がっていた。
「あれ、わたし…」
夢でも見てたのかな。
そう思ったのは、一瞬だけ。
すぐに現実を突きつけられた。
「おはよう、アリス」
「きゃあ!!」
わたしの顔を、男が覗き込んでいる。
おしゃれなモノクルをかけた、銀髪の男は、貼り付けたような笑顔でわたしに問いかけた。
「おや、大丈夫ですか?」
大丈夫なわけあるか、と叫びたかった。
だけど、そんな元気すら出てこない。