A'lice


「貴女は呼ばれるべくして呼ばれました。ですから、お名前を存じているのは何も不思議ではないですよ」

「は?」

「ですから、貴女がこの国へいらっしゃったのは必然だと申し上げました。招待させて頂いたお客様のお名前を知っているのは当たり前でしょう」




何を言っているのか、さっぱり意味がわからない。


百歩譲って、招待されたのだとしよう。

けれどどう考えても、これは招待なんて呼べる丁寧なものじゃない。




「招待なんてされた覚えはないんだけど。それとも何。 これがあなた達の礼儀なわけ?」

「おや、チェシャ猫のお迎えでは役不足でしたか?」







< 12 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop