A'lice
申し訳なさそうに銀髪を揺らす白うさぎだったけど、あまりにわざとらしすぎてわたしはいらいらを募らせる。
「不十分とか、そういう問題じゃない。わたしは来たくてここに来たんじゃないの。今すぐ帰して」
不機嫌なまま白うさぎを下から睨みつける。
すると、彼は驚くほどに冷ややかな目でわたしを見つめ返した。
綺麗な笑顔を貼り付けたままで。
ぞわりと背筋が粟立つ。
「あなたは帰れませんよ。どうしても帰りたいなら…ジョーカーを探す事ですね」
視線と同じ、氷のように冷たい声で彼は言い放つ。
もう、本当に…意味がわからない。