A'lice

本当に癪に障るけど、今は大人しく従うしかない。

帰り方すら、わからないんだから。




「着いてくわよ。…むかつくけど」

「一言多いですね、貴女は」

「よく言われるわ」




こうするしか方法がないのなら、気に入らなくてもこういう軽口くらいは叩いてもいい気がしてきた。


相手がどんなにいけ好かない奴でも、ね。



わたしは、道中色々な事を一方的に質問しまくった。


チェシャ猫とは誰か。

どこに向かってるのか。

この世界には他にも誰か居るのか。

今は何時なのか。


白うさぎは嫌な顔もせず、貼り付けた笑顔で淡々と答えた。



< 16 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop