リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『お笑い』・2
「はぁ~。いっぱい買っちゃった♪ 満足満足」

大きな紙袋を持ちながらも、空いている手ではしっかりとアタシの手を握っている。

「でもキミは何も買わなくてよかったの? せっかく似合いそうなのがあったのにぃ」

「アタシには似合わないわよ。あなたが着ている姿を見ている方が良いの」

「そお?」

ちょっと拗ねたように言われるけれど、自分でも似合っていないのは分かっている。

「でもボク、キミとお揃いのワンピとか着たいなぁ」

「えっ!?」

「あっ、メイド服でも良いよぉ」

「そっそれは流石に…。あっ、お腹空かない? アタシ、何か食べたいな」

「そうだね。じゃあどっかに入ろうか?」

上手く気がそらせて良かった…。

時々彼はこういうことを言い出すから、心臓に悪い。

流石に同じ服を着て二人並ぶというのはな~。

…明らかに彼の引き立て役になってしまう。

別に彼の女装姿がイヤなワケじゃない。
< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop