愛しい人~出逢いと道標~
そんなとき、トラックの後ろの扉が開き、涼しい風とともに男の人が出てきた。

これからコンビニへ積み降ろしするのであろう荷物をトラックの中から取り出し、台車へと乗せていく。

それを見て、私も男の人のそばに近づく。



どうやら、男の人は作業に夢中になっているのか、後ろまで来ている私に気づいていないようだ。



いきなり声を掛けて、何て思われるだろう



怪しまれないだろうか



怪しまれるのは当然としても、最悪の場合は警察に電話されないだろうか・・・



今、想像できる全ての最悪なことが過り、声を掛けるのを戸惑ったが、目を閉じて思い切って声を出した。
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