愛しい人~出逢いと道標~
「一応、北の方に向かうって言えばいいのかな」
頭を掻きながら男の人は答えてくれた。
まだ、この人に望みはある。
できることならば、声を掛ける人は少ないに越したことはない。
あまりに多くの人に声を掛けていると、そのうちに怪しまれて、店の人に通報され、そうこうしているうちに警察まで来てしまうかもしれない。
「北ですか・・・
私、ちょうどそっち方面に行きたいんで、良かったら乗せてくれませんか」
「・・・
今、店に納品だけしてくるから、ちょっと待ってて」
そう言うと、男の人は店に入っていった。
あんな言い方で良かったのだろうか。
そう思っても私にはあれが精一杯の言葉で、他にどの言葉を使えばいいのか落ち着いた今でも頭の中から出てこない。
「乗せてくれるかな」
そう呟き、トラックの後ろの足を掛けるのであろう部分に腰を下ろして男の人を待つことにした。
頭を掻きながら男の人は答えてくれた。
まだ、この人に望みはある。
できることならば、声を掛ける人は少ないに越したことはない。
あまりに多くの人に声を掛けていると、そのうちに怪しまれて、店の人に通報され、そうこうしているうちに警察まで来てしまうかもしれない。
「北ですか・・・
私、ちょうどそっち方面に行きたいんで、良かったら乗せてくれませんか」
「・・・
今、店に納品だけしてくるから、ちょっと待ってて」
そう言うと、男の人は店に入っていった。
あんな言い方で良かったのだろうか。
そう思っても私にはあれが精一杯の言葉で、他にどの言葉を使えばいいのか落ち着いた今でも頭の中から出てこない。
「乗せてくれるかな」
そう呟き、トラックの後ろの足を掛けるのであろう部分に腰を下ろして男の人を待つことにした。