愛しい人～出逢いと道標～

トラックの助手席は意外と綺麗に整理されていて、誰が乗っても汚いと思うことはないだろう。

正直、何もかもが私の抱いているトラックの運転手のイメージとはこの人は違う。



トラックのエンジンがかかり、店の駐車場を出る。

いつも見ているはずなのに、何だか違う店のように見え、後ろめたさが少し顔を出した。

しかし、それもすぐに引っ込んでしまい、私はトラックの進行方向をぼんやりと眺めた。


(どこまで乗せていってくれるかな)


できるだけ遠くまで行きたいけど、トラックのナンバープレートが県内というのを見て、県外に出る可能性は低いということを悟った。

県内でもできるだけ遠くに行ければ・・・

その思いを乗せ、トラックは国道27号線に出て、男の人が行った通り北へと向かい出した。