愛しい人~出逢いと道標~
あまりにも可笑しくて、ついつい吹き出してしまった。


「何だよ、めちゃくちゃな理屈。

自分勝手すぎじゃん」


いきなり親しくなりすぎたと思い、言い終わってから口に手を当ててしまい、恐る恐る男の人に目を向ける。


「やっと、違和感無くなった」


「えっ」


今度は本当に出てしまった。

話しているうちにこの人は本当の私に気付いていたのか、もしかしたら最初から気付いていたのかもしれない。


「どうして・・・」


ずっと、今まで誰にも何も言われずに演じてきた姉のような『女の子らしさ』を、出会って一・二時間しか経っていない人に違和感を持たれていた。
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