愛しい人~出逢いと道標~
トンネルを出ても入瀬は照れ笑いを隠し切れておらず、その表情を見てもう少しだけ意地悪をしてみたくなった。
「ごめんなさい、出口さん」
「お前、トンネル出たからって出口はねえだろうよ。
最早、俺の名前の原型留めてねえよ」
人は不思議なものだ。
小学校のときからずっと母親とこんな風に笑い合ったこともなければ、こんな会話をしたこともない。
中学のクラスの女子とも笑うことはあるが、それは愛想笑いのようなもので、こんなにも心から笑ったことは一度もなかった。
それなのに・・・
それなのに今日会ったばかりの入瀬とはこんなにも笑い合っている。
本当に不思議なものだ。
これが、入瀬が言っていた「自分の面で道を歩く」ということなのだろうか。
「ごめんなさい、出口さん」
「お前、トンネル出たからって出口はねえだろうよ。
最早、俺の名前の原型留めてねえよ」
人は不思議なものだ。
小学校のときからずっと母親とこんな風に笑い合ったこともなければ、こんな会話をしたこともない。
中学のクラスの女子とも笑うことはあるが、それは愛想笑いのようなもので、こんなにも心から笑ったことは一度もなかった。
それなのに・・・
それなのに今日会ったばかりの入瀬とはこんなにも笑い合っている。
本当に不思議なものだ。
これが、入瀬が言っていた「自分の面で道を歩く」ということなのだろうか。