愛しいひと

再会


『おっはよー!!』


ドアを開くのと同時に、クラスメイトに挨拶をする。あたしの日課だ。


「はよース!」


しかも、ちゃんと元気良く挨拶を返してくれる。それがまた嬉しいんだ。


「オーッス。志歩」


あたしが、自分の席に向かう途中、気だるそうに声をかけてきたのは、凛だ。


『オーッス。凛』


凛とは幼い頃からの付き合いで、いろいろとお世話になっている。


「志歩も大変だろ?」


鞄から教材を出していると、不意に凛が言った。


『ん?何が?』


一旦手を止め、凛の方を見る。まだ眠そうな目をしながらも、笑顔を浮かべている。


「学校側が問題起こして、こっちの学校へ転入とか」

『ああ、そのこと』


別に、気にしてないんだよね。てか、あたしとしては、寧ろラッキーだ。

男子はカッコいいし、知ってる人だらけだし、制服は可愛いし!


『あたしは、凛と一緒の学校、しかも、クラスも一緒ってことが何よりも嬉しいんだ。』


満面の笑みで凛に言うと、凛は目頭を押さえた。


「嬉しいこと言ってくれんねぇ・・・・!!」


軽く涙を浮かべながらも、笑顔で、あたしの肩をポンポンと叩く。





< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop