愛しいひと
再会
『おっはよー!!』
ドアを開くのと同時に、クラスメイトに挨拶をする。あたしの日課だ。
「はよース!」
しかも、ちゃんと元気良く挨拶を返してくれる。それがまた嬉しいんだ。
「オーッス。志歩」
あたしが、自分の席に向かう途中、気だるそうに声をかけてきたのは、凛だ。
『オーッス。凛』
凛とは幼い頃からの付き合いで、いろいろとお世話になっている。
「志歩も大変だろ?」
鞄から教材を出していると、不意に凛が言った。
『ん?何が?』
一旦手を止め、凛の方を見る。まだ眠そうな目をしながらも、笑顔を浮かべている。
「学校側が問題起こして、こっちの学校へ転入とか」
『ああ、そのこと』
別に、気にしてないんだよね。てか、あたしとしては、寧ろラッキーだ。
男子はカッコいいし、知ってる人だらけだし、制服は可愛いし!
『あたしは、凛と一緒の学校、しかも、クラスも一緒ってことが何よりも嬉しいんだ。』
満面の笑みで凛に言うと、凛は目頭を押さえた。
「嬉しいこと言ってくれんねぇ・・・・!!」
軽く涙を浮かべながらも、笑顔で、あたしの肩をポンポンと叩く。