恋心
オワリハジマリ
曇ったようなさくら色をして
地に墜ちていた花びらは、
ヒカる風に連れられ、
蒼い空へと飛び乗る。
そして
眩しいほどのひかりに
やさしく包まれ、
曇りはとれ、
きらきらと輝き、
やがては地上に舞い戻り
新たな色に
染まり始める………
まるで一瞬の出来事。
けれどほんとは
長い、
長い、
出来事。
今度は鮮やかなさくら色に咲きますように……
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