あなたは一度も。






「蘭は唯くんとは会ったことあるんだよね?」




椿が蘭に聞き始めた。




「うん。
顔も見たことあるような気がする。」




「じゃあ、蘭。
唯の名前とか気にならなかった?」



「名前?
あぁ。うん。気になってた。そうそう、ちょっとこれ見て?」



そう言うと蘭は
カバンの中から何かを取り出した。




「...卒業アルバム?」




「そう。中学の。」




中学...。


蘭とは中学校だけ違う。
もちろん椿も。




だから中学校時代の蘭は知らない。




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