あなたは一度も。
分からない
それから私は
ずっとその音が何なのか
この気持ちが何なのか分からずにもやもやしていた。
相変わらず唯が前にいると
どきどきして鳴りやまない。
「...結衣!!」
はっ、として
後ろを振り向くと蘭。
「あ、なに?」
ちょっと慌てぎみに言うと
「?結衣最近ぼーっとしてるからどうしたのかと思って。」
ああ。
そういうことか。
「ううん。
何にも...」
....と思って
立ち上がった瞬間
グラッと視界が傾いた。