部屋の中でラニーニャはつぶやきます

「いやよ、いや。そりゃあ姉さまは大好きよ。けれど、あたしは、あたしだもの。ふたり一緒に見られたくないの」

手にはナイフを持っています
そうして、それを頬にあてるのです

ナイフを頬にあてた時、血が真横に走り、ラニーニャは思わず震えてしまいました。

「ラニーニャ」

いつの間にか、部屋に入ってきていたエルニーニョが、優しくラニーニャに声をかけました


「似ていることが、いやなのね」

そう言うと、恐ろしさで動けないでいるラニーニャからナイフを取り上げて

それを自分の顔にあて

目のはんぶん
頬のはんぶん
眉のはんぶん
口のはんぶん
鼻のはんぶん

顔の中の全てのはんぶんを削ぎとってしまったのです

エルニーニョの顔のはんぶんは、たちまち薔薇色の骸骨に変わってしまいました

あまりの出来事に
ラニーニャは、気を失ってしまいました

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