その愛、一線を超えて。
プロローグ
「お願いがあるの」

久しぶりに届いたメールに目を走らせる。
件名を省いた、簡素なケータイメール。

「石塚 理恵」

その名前は一ヶ月に一回ほどのペースで、あたしのパソコンのそれに現れる。
ケータイにその名前を見たのはいつぶりだっただろうか。

「久しぶり!何?どーしたの?」

仕事先へ向かう途中の横断歩道の上でそれを打つ。
何度かのやりとりで、次に会う約束をした。
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