俺は彼女の目です。
【優衣side】


私の家―――――――――それは、元々ないものであり、しいて言うならば施設だろう。



こーくんは私の生い立ちを知らない。




あえて説明しようとは思わなかったし、説明してかわいそうな目で見られるのは嫌だったから。




せめて私の事情を知らない人には本当の私を見てほしい。



親に捨てられてかわいそうだから優しくしてあげようとか、そういう感情を一切抜きで接してほしい。




だからこーくんに送ってもらうわけにはいかなかったのだ。
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