俺は彼女の目です。
俺が人の輪を抜けて家に帰ろうとすると、明るい茶髪の男に呼び止められた。


「それは降参ってことでいいって意味?」



ムシ。


相手にしたほうが負けだ。


「なんだ。この高校にちょ~強いヤツがいるって聞いたから期待してきたのに所詮こんな奴か」



抑えて抑えて…。



「期待外れ…残念。こんな意気地なしだったとは」



カチン。


ついに我慢の限界。


俺から理性はぶっ飛んだ。

「…お前ら、さっきから言いたいように言わせてたら…調子乗りすぎ。……いいよ、そのケンカ買った!」


「よし。じゃあ場所移動するか。さすがに学校の前で殴りあいはヤベーからな」


律儀なケンカ売りだな…。



あーあ…またケンカかよ。


だりぃなぁ…。
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