約束に似た、綺麗な呪い
少しだけ踊るのをやめた彼女。
僕の方を向いて微笑んだ。
ただ、それだけだった。
傘を差し出しても、何を言ってもそれは同じ。

そしたらまた踊りだした。これだけの雨に濡れて、
服はかなりの水分を持っている筈なのに…
着ているそのワンピースは、
ふわりと綺麗に、軽やかに舞った。彼女のように。
髪も同じ。軽やかに舞った。

近くで見ている所為か、僕はそれに釘付けになって。
時間が経つのを忘れていた。

途中から意識が遠のいて、
気付いたらベッドの中だった。

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