悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
『遠慮しない』と言った晃人。
本気モードの晃人は灯里が思った以上に危険かも知れない。
待つと言ってはくれたが、このままでは晃人に何もかもを絡め取られてしまう。
そんな気がした。
「さ、行くぞ。この上のレストランを予約してある」
「……そっ、そうなの?」
「今日は天気もいい。海が綺麗に見えるだろう」
プライムタワーは10階建で、晴れた日には展望台から海が一望できる。
小学生の頃、灯里は晃人に一度だけ連れてきてもらったことがある。
あの時はまさかこうしてクリスマスに二人でプライムタワーに行くとは思ってもいなかった。
晃人の手が灯里の手をそっと握る。
昔と変わらない温かい手に、心がほっと安らぐ。
ドキドキしつつも安心感を覚えるのは相手が晃人だからだ。
灯里は晃人に手を引かれ、プライムタワーへと入っていった……。