悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




晃人は言い、灯里の唇に優しい口づけを落とした。

そのまま灯里の体を抱き寄せ、優しく髪を撫でる。

灯里は胸を大きく上下させながらぼんやりと晃人を見上げた。


晃人の瞳越しに想いが流れ込んでくる。

――――灯里を気遣い、心から愛する真摯な心。

昔から変わらぬ瞳に、灯里の胸に泣きたくなるほどの安堵が広がる。


晃人は長い睫毛を伏せ、灯里を労わるように頬や額に優しいキスを落とす。

唇から伝わる優しい想いに、灯里は胸の奥から熱いものがこみ上げるのを感じた。


「晃くんっ……」


灯里は腕を伸ばし、晃人の首に縋りついた。


――――晃人が好きだ。

誰よりも何よりも。


灯里の目尻から涙がとめどなく溢れ出す。

灯里は晃人の肩に頬をすり寄せ、涙声で叫んだ。



< 104 / 171 >

この作品をシェア

pagetop