悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




熱い想いが胸にこみ上げる。

大好きな人と一つになれた喜びが灯里の胸を熱く覆っていく。


目を潤ませた灯里の体を、晃人の腕が奪うように強く抱きしめる。

唇が重なり、口づけはしだいに激しくなっていく。

心も魂も奪い取られるような熱い口づけに、灯里の全てが溶けていく。


「……もう離さない」

「晃くんっ……」

「お前を愛してる。誰よりも何よりも!」


晃人の叫びが灯里の心を深く貫いていく。

その言葉に込められた真実に、強い愛情に、灯里の胸が震える。


「お前はいつも可愛かった。お前が生まれた時からずっと、俺の心にはお前がいた」

「……晃くん……」

「お前以上に大事なものなんてない。……お前だけだ、灯里……」


晃人の瞳が、眼差しが、灯里の全てを溶かしていく。

灯里は晃人の腕の中で潤んだ睫毛を震わせ、そっと目を閉じた……。



< 107 / 171 >

この作品をシェア

pagetop