悪魔のようなアナタ ~with.Akito~



<side.晃人>



晃人の腕の中で、白い背中が規則正しく上下している。

昔に比べて灯里の体は少し華奢になり、シーツに散った髪が昔にはない色気を感じさせる。


晃人はうとうとし始めた灯里の頬に優しい口づけを落とし、そっと頬に触れた。

ふっくらとした白い胸も綺麗な鎖骨のラインも、丸みを帯びた腰のラインも、昔とは明らかに違う。


晃人は灯里の目尻に浮かぶ涙をぬぐい、灯里の腰に腕を回した。

灯里に対してはどうしても非情になりきれない。

灯里の濡れた瞳を見た瞬間、愛しさが怒りを凌駕した。


――――10年ぶりの再会は、やはり運命だった。


二人が向かうべき場所はひとつしかない。

昔から晃人の想い出の中で何よりも輝いていた、灯里の笑顔……。

ずっと昔から晃人の心の優しい部分に住んでいた、愛しい人……。


もう何があろうと、離しはしない。


灯里と一緒にいるためなら、自分はどんなことでもできる。

灯里を護るためなら、いくらでも非情になれる。


――――これから先の未来のために、自分が今すべきことをする。


晃人の腕の中で灯里はすぅと可愛らしい寝息を立てている。

晃人は灯里の頬に口づけを落とし、そっとシーツに横たえた……。



<***>
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