悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
晃人に言い切られ、灯里は口を噤んだのだが……。
取締役とヒラが一緒に出勤したら噂の種になるのは目に見えている。
そして案の定……。
「全くそんな感じしなかったけど~。いつからなの?」
「え、えっと……その……」
「アラ、否定しないってことは事実なのね?」
香川さんはくすくす笑いながら言う。
わかっていたことではあるが、自分より香川さんの方が一枚も二枚も上手だ。
香川さん相手に隠せる気はしない。
そんな灯里の心がわかったのだろうか、香川さんはこそっと灯里の方に顔を寄せた。
「話してくれたら協力してあげるわ。ね、吉倉さん?」
「……っ」
まるて蛇に睨まれたカエルのようだ。
灯里は観念し、晃人とのことを話し始めた……。