悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
毎朝、ぼうっとする灯里に晃人は優しいキスをくれる。
『おはよう』と至近距離で囁く低いバリトンの声に、ぽっと躰が熱くなる。
……って何を考えているのか自分は。
「やばいかも……」
晃人は昔と同じように灯里に優しく接してくれる。
けれど幼馴染ではなく、『男』としての晃人は灯里の想像を遥かに超えていた。
自分でも想像していなかったスピードで、吸い寄せられるように晃人に惹かれていく。
灯里は背筋を伸ばし、チョコに向き直った。
10年ぶりのチョコに、10年前とは違う想いを込めて渡したい。
灯里は決心し、作業を再開した。