悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




「では、お前は何を賭ける?」

「そうだね、じゃあ……バレンタインチョコとか?」

「…………」


灯里の言葉に、晃人は無言で灯里を見た。

――――何か言いたげなその瞳。


「それは、賭けるものなのか?」

「……えーっと……」

「まあいい。であれば俺も負けるわけにはいかない。どんな手段を使ってでもお前に勝つ」


晃人の瞳がきらりと強い光を帯びる。

とっさに思いつきで言ってしまったのだが、どうやら晃人を本気にさせてしまったらしい。


灯里は内心で冷や汗をかきながら、チェスの前で姿勢を正した……。



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