悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




23時。


灯里はビジネスホテルの一室で、ベッドの上で膝を抱えていた。

力なく項垂れ、額を膝に押し付ける。


勢いでここに来てしまったが、これからどうすればよいのかわからない。

マンションに帰りたくないと言ったところで晃人が納得するとも思えない。


灯里は切ないため息をつき、ベッドの上にころんと横たわった。

この10日間、夜はずっと晃人と一緒にいた。

灯里は毎晩、晃人のぬくもりに包まれて安心して眠りについた。

けれど今日は一人だ。


今日はここでゆっくりと考えよう……。

と思った、その時。

コンコンと扉をノックする音が響いた。


灯里は首を傾げ、慌ててベッドから飛び降りた。

こんな時間に来るとは、ホテルの人だろうか?

灯里は訝しみつつ、鍵を下ろしてドアをそっと開けた。

その瞬間。


バンと勢いよくドアを開けられ、灯里は思わず目を見開いた。

ドアの向こうに立っていたのは……。


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