悪魔のようなアナタ ～with.Akito～

氷のように固まった灯里に、晃人はくすりと笑う。


「どうした? もう逃げないのか?」


晃人は目を細めてうっすらと笑う。

その瞳によぎる怒りと悲しみに、灯里は胸が締め付けられるような気がした。

こんな顔をさせたのが自分だということも分かっている。

けれど……。


晃人は射抜くようにじっと灯里を見つめる。

身動き一つできない灯里に、晃人は冷ややかな声で告げる。


「離れようとしたら今度こそ容赦しない、と言ったはずだ」

「……っ!」


言葉とともに晃人の腕が伸び、灯里の腕を掴んで引き寄せる。

顎を掴まれ、強引に唇を重ねられる。

灯里は晃人の腕の中で、なす術もなく呆然と体を強張らせた……。