悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
「嫌なら逃げればいい」
「……っ……」
「だが生半可な覚悟で逃げれるなんて思わない方がいいぞ?」
晃人の言葉に、灯里はぶんぶんと首を振った。
――――逃げるつもりなどなかった。
朝子の言葉に混乱し、どうすればいいのかわからず一人で考えたいと思っただけだ。
涙を滲ませる灯里に晃人はくすりと笑って言う。
「お前が逃げるなら、俺はお前を逃げられないようにするまでだ」
「……っ」
「方法はいくらでもある。鎖でも薬でも快楽でも。好きなものを選べ、灯里」
晃人は言い、灯里の瞳を真上から覗き込んだ。
その瞳によぎる切なげな光に、灯里は息を飲んだ。
晃人の怒りと哀しみが瞳越しに灯里の心の中に流れ込んでくる。
「晃、くん……」
「だがお前の体を傷つけたくはない。……であれば、一つしかないな?」
晃人は頬を歪めて笑い、唇を重ねた。
しっとりした柔らかい唇の感触に灯里の胸がじわりと温かくなる。
唇はしだいに深くなり、灯里の唇を激しく蹂躙していく。
「……ぁあっ……」