悪魔のようなアナタ ~with.Akito~



灯里は吸い寄せられるように晃人を見つめていた。

……視線が、離せない。

晃人の想いに流されそうになる。

ドクンドクンと心臓が大きな音を立て始める。


晃人の傍にいると心臓がもたないかもしれない……。

胸の鼓動がいやに大きく響き、頭がぼーっとしてくる。

昔はこんなことなかったのに……。


灯里は慌ててコーヒーを一口飲み、口を開いた。


「ねっ、ねえ晃くん。この後はどうするの?」

「この後か。特に考えてはいないが、折角のクリスマスだ。イルミネーションでも見に行くか?」


晃人の言葉に灯里はこくりと頷いた。

イルミネーションというと、街中だろうか?

と首を傾げた灯里に晃人は少し笑って言った。


「この間行ったカフェは覚えているか?」

「あ、うん」

「あそこから車で少し行ったところにノームテラスがあるのは知ってるか?」


< 15 / 171 >

この作品をシェア

pagetop