悪魔のようなアナタ ~with.Akito~



灯里は流されやすい面もあるが、一人で悩みを抱え込んでしまうという面も持っている。

晃人が灯里との将来を思い描いたように、灯里も自分との将来を考えたはずだ。

けれど朝子のこともあって、灯里はこれまで将来のことを口にしたことはなかった。

晃人も朝子の件に片がつくまでは灯里に未来の話をすることはできないと考えていた。


けれどもう、二人の間には何の障害もない。

これからの未来を二人で考え、二人で同じ道を歩んでいく。

昔の想い出を分け合い、二人で新しい想い出を作っていく。

そのためならどんなことでもできる。


未来への希望と、灯里への深く熱い想いが胸に溢れ出す。

晃人は椅子を引き、ゆっくりと立ち上がった……。


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