悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
――――幼い頃。
興味の赴くまま会場内をふらふらと歩きまわる灯里を、晃人は慌てた様子で追いかけていた。
あの頃とはもう違うが、やはり晃人が過保護なのは変わらない。
灯里は晃人の腕に自分の腕を絡め、桜を見上げた。
「……再会してから、もう一年経つんだね?」
あの会議室での突然の再会から、もう一年になる。
あれからいろいろなことがあったが、今思うとやはりあれは運命だったのかもしれないと思う。
あの再会がなければ、今こうして二人で一緒にいることもなかっただろう。
と思い耽りながら歩いていた灯里の肩を、晃人がぐっと抱き寄せる。
「おい、あまり端を歩くと落ちるぞ」
足元は木道になっており、両端は昨日雨が降ったせいかぬかるみになっている。
思わず頬を染めた灯里の顔を、晃人は優しい視線で覗き込む。