悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




19:00。


二人は山麓にあるレストランで夕食を取っていた。

窓の外には煌びやかな夜景が広がっている。

晃人とは何度かレストランに行ったが、ここの夜景は遠くに見える海の入り江が複雑な形をしているせいか、幻想的で美しい。


「灯里、飲み物はどうする?」

「ミモザかな~。他に何かお勧めってある?」

「そうだな、シャンピートはどうだ? ミモザと同じシャンパンベースだ」


晃人は酒のリストを眺めながら言う。

灯里はうんと頷き、窓の外に視線を投げた。


晃人は灯里の知らない世界をどんどん見せてくれる。

こういうレストランに来ることもこれまでなかった。

考えてみれば、昔から新しいことを何かしようとするとき、隣に必ず晃人がいた。

晃人が自分を導き、新しい世界を見せてくれた。


やがて飲み物と前菜がテーブルに並んだ。

グラスを掲げて乾杯し、数口飲む。

晃人が選んでくれたシャンピートというカクテルはシャンパンとラム酒、そしてミントが入っており、とても口当たりが良く味もいい。


< 165 / 171 >

この作品をシェア

pagetop