悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




灯里はすっと視線を伏せた。

その時。


「灯里」


灯里の向かいで、晃人はそっとテーブルの下からビロードで覆われた小箱を取り出した。

首を傾げる灯里の前を、晃人はじっと見つめる。

その真剣な瞳に灯里は息を飲んだ。


「いつ言おうかずっと迷っていた。本来なら一緒に住むときに言うべきだったのかもしれないが……」

「……晃くん?」


見つめる灯里の視線の先で、晃人はゆっくりと小箱を開いた。

中に入っていたのはダイヤとエメラルドが綺麗に並んだ指輪だった。


灯里は驚き、目を見開いた。

晃人は灯里をじっと見つめたまま、一拍置き、掠れた声で言う。



「灯里。……結婚してほしい」



晃人の言葉に、灯里は目を零れんばかりに見開いた。

これって……。


目を白黒させる灯里を、晃人は切れ長の目でじっと見つめる。

その眼差しも表情も怖いくらいに真剣だ。


――――突然のプロポーズ。


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