悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
全く想像すらしていなかった灯里は、思わず驚きの声を上げた。
「えっ、……ええっ!?」
気が動転し、何も言葉が出ない。
灯里は呆然と晃人を見つめていた。
晃人とずっと一緒にいたいと思ってはいたが、重人の言葉が心の片隅に残っていたため、灯里は先のことをあまり考えていなかった。
今一緒に居れればそれだけで幸せだ、先のことは望むまいと思っていたのだが……。
灯里の胸に喜びが突き上がる。
喉が震え、何も言えない。
瞳を潤ませた灯里に、晃人はくすりと笑って言う。
「お前は、『はい』とだけ言えばいい」
「……」
「さあ、言ってみろ」
「……はい」
灯里はぼうっとした頭で言い、頷いた。
その瞬間カッと頬に血が上り、顔が鬼灯のように染まる。
――――結婚。