悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
灯里は無意識のうちに自分の両頬を手で押さえた。
信じられない。
まるで遠い空にあったお星様が突然足元に落ちてきたような、そんな感じだ。
目を白黒させる灯里を楽しげに見つめ、晃人は笑う。
「ほら、付けてみろ」
「う、うん」
晃人の言葉に促され、灯里は指輪を取り上げた。
ダイヤとエメラルドが並んだ指輪は美しく繊細で、灯里はその輝きに目を奪われた。
「綺麗……」
灯里は掠れた声で呟いた。
晃人が灯里の左手を取り、薬指に指輪を嵌める。
指輪を見つめる灯里の瞳から喜びの涙が一筋流れ落ちる。
ずっと昔から一番近い所で灯里を護り、導いてきた晃人。
晃人が灯里に選ぶものは間違いがない。
灯里の視界が涙でぼやけていく。
「嬉しい……。ありがとう、晃くん」