悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
3.クリスマスの想い出
16:00。
ノームテラスに着いた二人はログハウスが並ぶ木の通路を並んで歩いていた。
通路の脇やログハウスの屋根には橙色の灯りがライトアップされ、幻想的で美しい。
中央の少し広いスペースには大きなクリスマスツリーが綺麗に飾り付けられ、華やかにライトアップされている。
「きれい……」
灯里の瞳が橙色の柔らかな光を受け、きらきらと輝く。
晃人の腕が灯里の肩に回り、そっと引き寄せる。
突然背を包んだぬくもりに灯里は一瞬びくっとしたが、すぐに笑顔で晃人を見上げた。
「綺麗だね、晃くん」
「ああ」
クリスマスツリーを見ていると、昔灯里の家にあったツリーを思い出す。
毎年この時期になると家族全員で飾り付けをしたが、一番上に飾る星はいつも晃人につけてもらっていた。
中学のころから晃人は背が高くなり、灯里の父よりも背が高かったため星をつけるのは晃人の役目になっていた。
『晃くん、これ一番上につけて!』
と幼い灯里がプラでできた星を差し出すと、
『わかった、ちょっと待ってろ』
と晃人は言い、腕を伸ばして軽々とつけてくれた。