悪魔のようなアナタ ~with.Akito~



晃人はそこで言葉を止め、灯里を見下ろした。

何かを思い出すような、懐かしげな優しい瞳に胸がトクンと高鳴る。


「不思議だな。お前と再会してから、昔お前と一緒にしたことをもう一度したくなる」

「…………」

「一緒に行った場所にはもう一度一緒に行きたいと思うし、一緒に見たものはまた一緒に見たいと思う」

「晃くん……」

「考えてみたら、俺は7歳の頃からお前と一緒に居た。俺の昔の想い出には必ずお前がいる。だからなのか……」


晃人は言いながら、灯里の肩に回した手にゆっくりと力を込めた。

晃人の均整のとれた厚い胸板が灯里の肩に触れる。

――――懐かしい、遠い日の想い出。

10年経った今でもそれはお互いの胸に存在している。

そして今、晃人との想い出はこれまでにない鮮やかさで灯里の胸に存在している。


「さ、店の方に行ってみようか?」

「うん」


晃人にエスコートされ、灯里はゆっくりと歩き出した。

昔と同じ優しいぬくもりが灯里の肩を包み込む。


ずっと、このぬくもりに触れていたい。

ずっと……。


灯里は晃人の腕の温かさを感じながら、ログハウスが並ぶ方へと歩き出した。


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