悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
二時間後。
ノームテラスの店を一通り見終わった二人は駐車場へと歩いていた。
既に日は落ち、辺りは真っ暗だ。
晃人はガーネットブラックのジーマの前で足を止め、助手席のドアを開けた。
助手席に座った灯里を覗き込み、晃人が言う。
「どうする? 灯里。帰るなら家まで送るが……」
「晃くん……」
「時間があるなら夕飯にでも行くか? ……お前、腹はすいたか?」
晃人の言葉に灯里はふむと考えた。
そういえばなんだかお腹が空いてきた気もする。
ノームテラスを歩き回ったからだろうか?
思わずこくりと頷いた灯里に晃人は目を細めて笑った。
「では行こうか。着くまで少しかかるから休んでいるといい」
「うん……」
晃人は運転席に座り、エンジンをかけて車を発進させた。
晃人の運転は丁寧で、まるでタクシーかハイヤーにでも乗っているような感じだ。
それは晃人が運転に慣れており、上手いからなのだろう。