悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
晃人は昔からこういうところはしっかりしている。
しかし晃人に運転してもらったのに、自分だけお酒を飲むのはなんだか申し訳ない。
灯里がそう言うと、晃人は首を振って笑った。
「お前は気にするな。俺はお前とこうして食事ができるだけで充分嬉しい」
「晃くん……」
「お前もそう思ってくれると嬉しいが。……さあ、食べるか」
晃人は言い、前菜を小皿に取り分け始めた。
その手際の良さは昔から変わらない。
昔から晃人は灯里に対して過保護ではあったが、今は昔のレベルを超えているような気がする。
過保護と言うか、何というか……。
灯里はドキドキしながら晃人から小皿を受け取った。
「……」
多分、自分は晃人に惹かれているのだろう。