悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
4.この手を取ったら・・・
夕食後。
灯里は晃人とともに50階の展望台にいた。
大きく開けた窓の向うには宝石のような光の海が広がっている。
――――結局、夜まで一緒にいてしまった。
晃人といると時間が経つのを忘れてしまう。
行く前にあれだけ悩んだのが嘘のようだ。
「灯里」
晃人が灯里の背に腕を伸ばし、そっと抱き寄せる。
ぼうっと夜景を眺める灯里の隣で、晃人は胸のポケットから濃紺のビロードの小箱を取り出した。
首を傾げる灯里に、晃人は少し笑って囁く。
「いつ渡そうか迷っていた。受け取ってほしい」
「えっ……」
「クリスマスだろう?」
灯里は驚き、目を見開いて晃人を見上げた。
予想もしていなかったプレゼントに、灯里は慌てて首を振った。