悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
「灯里」
「……晃、くん……」
「今ならまだ、お前を帰してやれる。だが……」
晃人の瞳がじっと灯里を見つめる。
その瞳に満ちる愛しさと心からの切望に、灯里は息を飲んだ。
「この手を取ったら、……今夜はお前を帰さない」
「……っ」
「意味はわかるな?」
晃人の言葉に灯里はこくりと息を飲んだ。
灯里とて子供ではない。
晃人の言葉が何を意味しているのかはわかる。
晃人の瞳が絡め取る強引さで灯里の目を見る。
艶を帯びた、切れ長で涼しげな一重の瞳が灯里の心を絡め取ろうとする。
絶対に逃さないという強い意志を帯びた瞳に、灯里の理性がゆっくりと綻んでいく。