悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
二章
1.前途多難?
その後。
晃人は灯里を車で家の前まで送り届けてくれた。
灯里の家の前に車を止め、車から降りて助手席のドアを開ける。
と、そこに。
「あら? あなた……」
灯里の母が玄関から顔を出した。
母は晃人の顔をしばし見つめた後、驚いたように声を上げる。
「ひょっとして、晃人君!?」
母はサンダルを履き、転がるように表に出てきた。
晃人は少し笑い、向き直って軽く一礼した。
「御無沙汰しています」
「本当に晃人君なの!? あらまぁ、こんなに格好よくなっちゃって……」
母は驚いたように晃人を見上げる。
灯里があの会議室で驚いたように、母も晃人の変貌ぶりに驚いた様子だ。
「ちょっとー、お父さん! すぐ来て!!」
「なんだ~?」
「晃人君よ! 晃人君が来てるのよ!!」