悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
灯里の言葉に両親はさーっと青ざめた。
忍村は全国的にも知名度のある会社だ。
父は信じられないといった様子で首を振り、灯里を見た。
「昔から神園さんは羽振りのいい家とは思っていたが……」
「え? そうなの?」
灯里は眉を上げた。
考えてみれば晃人の家は灯里の家の2倍ぐらいの敷地面積で、家の中も広い。
芝生や庭もいつも綺麗に整えられていた。
「まさか忍村の関連だったとはな……。どおりで……」
「……」
「しかしお前。大丈夫なのか? その……」
父は心配そうに灯里を見る。
灯里は首を傾げた。
「なに?」
「晃人君はわしも信頼している。だがお前はヒラ、晃人君は取締役だろう?」