悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
父が言いたいことをなんとなく理解し、灯里は力なく俯いた。
もちろんそれは灯里もわかっている。
晃人は取締役で、将来の忍村グループを担う人材だ。
本来であれば灯里と付き合うなどということはないだろう。
現実を突き付けられ、灯里は肩を落とした。
晃人が灯里に向ける気持ちも、灯里が晃人を想う気持ちも本物だ。
けれど……。
始まったばかりの恋なのに前途多難な予感がする。
灯里は内心で重いため息をついた……。