悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
「で、灯里ちゃんは出席する? それとも欠席?」
「……すみません、いつでしたっけ」
「1/5の19:00から。場所は繁華街の居酒屋」
灯里は机の上に置いてあったスケジュール帳を取り上げ、パラパラとめくって確認した。
その日は定時後、特に用事はない。
「参加します」
「了解~」
山岡課長は楽しげに灯里の名前のところに〇をつけた。
灯里はそれを眺めながら晃人の顔を思い出した。
晃人も新年会に参加するのだろうか?
あのクリスマスの日以来、晃人のことを考えることが多くなった。
晃人のことを考えると心が温かくなり、同時に不安もよぎる。
考えても仕方ないのに……。
晃人が好きだというこの気持ちだけに今は向き合っていたい。
灯里は考えを振り切るように顔を上げ、再び机の掃除を始めた。